まず、上の2つの写真を。左はフライとメイフライ・ダン、右はそれぞれが水面に浮いた状態です。左写真で見る限り、外観は、さほど似ていないように見えますが、右写真を見ると“ソックリ!”となるはずです。フライは外観の模倣性などあてになりません。机上ではソックリに見えても、『鱒の視点』、すなわち水中から見ると全く似ていないものなどザラにあります。逆に右の写真のようなケースも多いものです。ちなみにフライは、いわゆる「キール(KEEL)型」。フックベンド部が通常とは逆に上を向いています。「アップサイドダウン(UP-SIDE DOWN)」ともいわれ、ストリーマーなど水中型フライに多用されますが(フックポイントが岩や川底に引っ掛かりにくくなります)、ドライフライのような水面型フライにも使われます。水面型の場合、ケースによってはフッキング率が若干低下するようですが、フックベンド部が水中から見えない分、違和感が少ないものです。
ところで右写真にご注目を。水面と接している部分が光り輝き、またフライのウイングが左に比較してはるかに長く見えますし、メイフライがせり上がっているように見えます。これらが、いずれも冒頭で述べた「特異な光学現象」によるものです。この現象を説明するうえで、切っても切れない関係にあるのが次ページの『トラウト・ウインドウ』です。 |