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カゲロウの変態ステージと
フライ・パターン

昆虫は、卵から幼虫、蛹、そして成虫へと段階的に変態しながら成長します。
フライの多くは、卵以外の各段階、すなわち「各ステージ」の形態や状態を模したものです。
カゲロウもむろん変態を繰り返しますが、この種属ならではの大きな特長は
「蛹ステージ」をもたないこと。
その代わり「亜成虫」(フライ用語は「ダン」)なる
カゲロウのみがもつ 特殊なステージをもちます。
この亜成虫は専門的には蛹として扱われていますが、形態的には成虫とソックリ。
500年以上も前から、フライの格好のイミテーション対象とされてきました。
フタスジモンカゲロウ(略称:フタモン)の一生を紹介しながら、
各ステージごとにフライパターンを紹介します。

 
  1. 幼虫(ニンフ/NYMPH)
*フタモンのニンフは
オケラにソックリ


体長20〜25mmの大型種。砂泥状の水底にU字状のトンネル型の巣を掘削して生息。陸棲のオケラと生態も形態も似ています。
[フタモン・ニンフ]
*いわゆるリアル・
イミテーション型の典型


幼虫は絶えずエラ(ギル/GILL)を動かし溶存酸素を摂取。エラを誇張しソレ風に。大型ニンフはリアルに仕上げるのがセオリー。
     
  2. 水面に浮上した幼虫
*鱒にとっては
まさに“据え膳”状態
[フローティング・ニンフ(FLOATING-)]
*ボディは沈め
際どく浮かせる機能が重要
 

羽化のために水面に浮いた状態。鱒からは視認しやすく捕食もしやすいため集中的に狙われます。最上段の写真は水中からの見え方。

胸部の上側(ウイングケース部)を水面に接し水面とほぼ平行状態で羽化態勢に。ケース部にフォーム素材を使いその姿勢を意図。
     
  3. ウイングケースを破り
亜成虫が現れ始めた段階

*なおも続く“据え膳”状態

羽化は「イマージェンス」、羽化途中は「イマージング」といいます。斜め上方向に向かいニュ〜とばかりに亜成虫が現れ始めます。
[イマージング・ダン
(EMERGINGDUN)]

*浮揚性の高いパラシュート・スタイル

ウイングは現れ始めたボディの模倣性十分。細部にこだわらない「ファジィ型」。水中で続くiは独特に茫洋感が。リアル型より効くことも。
     
  4. ほぼ完全に羽化に成功した
亜成虫(ダン)

*とはいえシャックを抜くのが難業で

ボディはほぼ脱皮。ここでトラブルが発生することも。テールが引っかかり幼虫殻(シャック)をひきづったまま脱落する個体も多し。
[スティルボーン・ダン
(STILL-BORN DUN)]

*シャック材の透過性・光輝性が“キモ”

幼虫殻をひきずった個体を「スティルボーンとか「トレイリング・シャック」と呼称。シャック材はアピール効果満点です。
     
  5. 羽化に成功し水面に
完全に浮いた亜成虫

*危険な水面からすぐに
飛び立つ態勢に
[フタモン・ダン
(EPHEMERA DUN)]

*汎用性の高い
スタンダード・スタイル
 

羽化に成功した個体は表面張力を利用し6本の脚だけで巧みに水面に乗ります。前脚を高く上げて飛び立つ準備。この後すぐに飛翔。

外観は必ずしも似てませんが肝心の雰囲気は相似。浮き方によってダンはもちろんスティルボーンなど様々な状態の表現ができます。
     
  6. 成虫です。ちなみに♂
*ぐっと凛々しく逞しく


亜成虫はさらに脱皮して成虫に。生殖機能が備わります。亜成虫に比べ前脚とテールがぐっと長くなります。特に♂の前脚はそうです。
[フタモン・スピナー(-SPINNER)]
*リアルなエクステンド・ボディ型


大型フライに多用されるエクステンド・ボディ・スタイル。重量を軽くでき、また透過性に優れたボディも作りやすくなります。
     
  7. 産卵を終えて昇天した成虫
*十字形は絶命個体の象徴スタイル

絶命個体の羽翅(ウイング)は概ね水平に広がるため結果、全体が十字状に。亜成虫にも多く見られ「スペント・ダン」と呼ばれます。
[フタモン・スペント]
*英国型トラディショナル・スタイル

英国では産卵後の(SPENT)スピナーとして、日本ではスペント・ダンとして効き目の高いスタイル。鱒は十字形に弱いようで。
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