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水生昆虫とフライ

フライパターンは、それこそ“星の数”ほどありますが、その模倣対象の約7割が水生昆虫です。
鱒が捕食する餌生物の8割以上が水生昆虫ゆえ当然のことですね。
フライフィッシングの発達は水生昆虫学の発展と常に歩を一にしてきました。
500年以上前の創始時代から今日に至るまでです。
今後もフライフィッシングが続く限り変わることはないでしょう。
もちろん「水生昆虫学」といっても、フライフィッシングで求められるのは
「生物学」や「昆虫学」といった堅苦しい学問としてではなく、
あくまで「フライフィッシング学」「フィールド学」のスタンスに基づくもの。
フライとの関係性に重点をおきながら、分かりやすく解説しました。

 
[カゲロウ]
フライフィッシングの象徴的な存在


「蜉蝣目(カゲロウ目)」の昆虫で日本には10科150種以上が生息しています(世界には23科2000種以上)。そのうちわが国のフライフィッシングで重要視されるのは20種ほどです。体長は4mm〜28mm。渓流から湖沼まで広く生息しますが、主要生息域は渓流です。羽化期は早春から晩秋まで。地域差はありますが最活性期は3月から6月ごろです。英名の“MAY-FLY”は「5月」にピークが訪れるから、といわれますが実は間違い。北半球ではピークは3月から6月。説明すると長くなりますので割愛。“正解”はこのウエブサイト内のどこかに記してありますのでご探索を。
[トビケラ]
種類や個体数の多さではカゲロウを圧倒


「毛翅目(モウシ目)」の昆虫で日本には24科約300種が生息(世界には30科約1万種)。重要視されるのは10種前後。体長は5mm〜35mm超。一見すると体型や羽翅の雰囲気など蛾(鱗翅類)に似ていますが全くの別 種です。蛾の羽翅を覆うのは鱗粉。それに対しトビケラは微毛。毛翅目なる名称の由来です。羽化集中期は3月から7月ごろで暗くなってから活発化する傾向が大。英名にはカディスとセッジの2つがありますが、日米では前者が、英国や欧州では後者が一般的。厳密には総称がセッジで、カディスは幼虫時代にヤドカリのように筒状の巣を担いで暮らす種属を特定していいます。
[カワゲラ]
小中型種が特に重要


「積翅目(セキシ目)」の昆虫で日本では現在のところ9科170種以上が確認(世界には16科2千種以上)。研究が遅れている昆虫で今後、種が倍増する可能性大。わが国のフライ界で重要視されるのは10種前後。体長は5mm〜35mm超。水質の汚濁に弱く、そのため河川の上流域に多く生息。その分、低水温に強く水温2℃で羽化する種属もいます。ちなみにカゲロウは8℃、トビケラは10℃は必要(といわれます)。羽化期は通年。初夏に集中羽化するミドリカワゲラが以前からの注目種でしたが、真冬でも羽化する種属(セッケイカワゲラやミジカオカワゲラなど)が最近注目されています。
 

 

 

[ユスリカ]
重要度ではカゲロウに勝るとも劣らず


「双翅目(ソウシ目)」の昆虫。同じ双翅目の蚊(モスキ−ト)にそっくり ですが別種属。成虫は雄雌ともに吸血性はなく蛹(ボウフラ)も蚊は気門呼吸ですがユスリカはエラ呼吸。そのため蚊ではとても棲めないような水深10mを超える湖底に生息する種もいます。日本には100種以上が生息。体長は2mmという極小サイズから最大で12mm程度まで。英名の「ミッジ(MIDGE)」は“小さい虫”の意ですが絶対数の多さは桁違いゆえ鱒に捕食される量は膨大です。年間を通して羽化があり冬期も活発。河川の汚濁にも 強いため生息域は広がる傾向にあります。雪の残る早春の中流域が格好のフライフィールドとなっている理由です。
[その他の水生昆虫]
ガガンボほか数種の昆虫が重要


カゲロウ、トビケラ、カワゲラ、ユスリカの4つの水生昆虫はフライ界での「4大重要種」です。日本だけではなく世界的にも共通。それ以外にも重要な水生昆虫は多々いますが、国によってその重要種は変わります。わが国でしたらガガンボとブユが双璧でしょう。特にガガンボは初夏に羽化する淡い黄系の水生型中型種が相当に重要です。その他、センブリ、トンボ、カワトンボの3種も一応押さえておく必要があります。センブリは英国では500年も前より注目されていた重要種。英名は「アルダー」。有名なウエット・パターンがあります。トンボやカワトンボは米国などには、それを模したパターンが数多し。わが国でも季節によっては、かなり捕食されています。
   


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