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春一番が吹き荒れる暖かな日に、スモークしようよ! のお誘い。言いだしっぺの私は、いそいそと準備を始める。
昔から、キャンプやバーベキューは好きだったけれど、働きはじめてからは頻繁に外へ繰り出すようにしている。普段は朝早く、夜は深夜に。ご飯はコンビニのおにぎり、毎日が規則正しい不規則な生活なだけに、大きく、深く、深呼吸できる場所を求めて、外へ遊びに行く。
ダンボール薫製はバーベキューに飽きた友達に教わったもので、準備はいたって簡単。
トマト、チーズ、鶏肉、はんぺん、ベーコン、ゆで卵、シャケ、イカ……。
卵だけゆでておき、あとは簡単にすませるためにそのままで。スモークチップは量販店で(今回はさくらチップを)購入。網は100円均一で、あとはダンボールを片手に出かける。
目的地は高尾の友人のアトリエ。ついた頃には日が暮れかかり、林と小川に囲まれたその場所で火をおこし、鉄板を温めた上にスモークチップと網の上に食材を並べたものを二段重ねにし、最後にダンボールをパコッとかぶせて、一時間半。
ダンボールの中ではもわんと煙が広がり、じくじくじくじく、やさしくやさしく、食材に香りをつけていく。油が熱された鉄板に落ち、じゅわっ。あぁ〜美味しそうな音!
スモーク中はやることもなくなるので、ろうそくに火をつけて音楽を聞き、木をゆらす風の音を聞き、友達と共に笑う。空にのぼる月の、大きいこと、明るいことに感激する。
そうこうしている間に、スモークは完成! こんがりと色付いた食材、チーズはとろとろに、ベーコンは肉汁がしたたり落ちる〜。今まで食べていた食材がスモークチップの独特の香りがついて、初めて食べる味に変わる。初めて食べた友達の喜ぶ様子に、経験者二人はニヤリ。『初めて食べた時はそうなるんだよねー』などと言いつつ、美味しくて食べ過ぎてしまう。食後はコーヒーでゆっくりとした時間を過ごす。
自然の中にいると、無理矢理に入ってこようとする情報が少ない。都会の雑踏との違いは、そこなのかもしれない。ただ、自分で感じた、好きなものだけを取り込める。気持ちにゆとりができる分、柔らかい自分になれるのかもしれない。
スモークされた食材に舌鼓をうちながら、大きくたっぷりと深呼吸し、次はどんな遊びをしようかとほくそ笑む。

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設計事務所勤務。東京在住。
働く時は全力で働き、遊ぶ時には全力で遊ぶ。旅行にキャンプ、夏フェス、釣り、夏には海でシュノーケリングも楽しむアクティブさがモットー。
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