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ハイキングや山歩きが好きと言う方々と話して意外なのは、冬になると案外、山に出かけていないことだ。冬場に本格的な登山となれば、積雪があり危険を考えざるを得ない。しかし、日本には豊かな低山がある。人里に近い低山には、山の香りとヒトの匂いの両方があり実に複雑で面白い。冬の山歩きをあきらめず、四季それぞれに山を訪れてこそ、日本に生まれた山好きのシアワセをかみしめられるというものだ。
冬に山歩きを楽しむなら、ブラブラ歩きをオススメしたい。重い荷を担いで坂道を登る徳川家康のような山歩きは、冬には特に骨が折れる。必要十分であり最小限の荷物を持って、冬枯れの低山を、寄り道しながらブラブラと歩くのが楽しい。春から始まるシーズンの準備運動のつもりでも結構だが、やってみるとこれがなかなかシアワセを感じるのだ。
朝のキンとした冷気は身も心も引き締めてくれるし、雑木林を稜線まで登ったところで思わぬ絶景に出会うこともある。空気が澄んでいることもあるが、夏には伸び放題だった草や木の葉がすっかりなくなっていて、見通しがいいことが想定外の贈り物をくれるのだ。花との出会いも楽しい。スイセン、ロウバイ、セツブンソウ、フクジュソウなどは、1月から2月に出会える代表的な花だろう。そんな楽しみに出会ったら、じっくりと時間を使いたい。写真やスケッチのご趣味をお持ちなら趣味の時間に、そんな趣味をお持ちでなくてもただボーっとすればいい。何も考えず、深呼吸するように静かに時間を過ごしていれば、やがて心の奥底からシアワセ感がジワ〜っと湧いてくる。間欠泉のようにドバッとくるのではなく、ブナ林から水がしみだすようにジワ〜っとくるのだ。
写真家の鈴木澄雄氏が、のんびり歩いてボーっとする時間を大切にする「のんぼー山歩き」を提唱しておられるが、私はその真似をして、ブラブラ歩いてボーっとする「ブラボー山歩き」を標榜する。山を挑戦の場と考えている方には不向きかもしれないが、冬でも自然の面白さや不思議さに出会うことを楽しみ、山を歩くことそのものを楽しもうとする方には、「ブラボー山歩き」ぜひオススメしたい。

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| 1959年、新潟県生まれ、埼玉県育ち。1993年に有限会社トップスを設立し、子供たちから熟年まで、幅広い年齢層にキャンプやハイキングなどのアウトドアプログラムを提供している。 |
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